奴隷に休憩はいらない!
ここのホテルの配膳人への休憩は特殊で、出勤時間が11:30迄ならお昼に30分、お昼から16:30迄なら夕方に30分、食事休憩として与えられ休憩時間に対しても時給が支払われている。(理由は後述)そして、宴会開始時間の2時間前(早入り)と1時間前(遅入り)の2段階出勤とされ30分刻みで、ホテル内にある有料職業紹介所の出張所にオーダーされる。これによって法で定められている休憩時間より少ない時もあるが多い時もあったことから、さほど気にするほどではなかった。
それは突然、ホテルの意図を持って現れた「11:45」と「16:45」の出勤時間だ。
すぐにホテルの意図が理解できた。当時ホテルの宴会は年々減少していた。15分出勤時間を遅くすることで休憩を与えなくてよくなる、その休憩時間分を働かせれば人件費削減できるからだ。まさしく「こき使う」とう言葉がふさわしい。この結果、労働時間が6時間を超えても休憩なし、8時間を超えても30分の休憩ということが何年も続くことになる。ここで忘れてはならないことは数多くの大学生・高校生が配膳人として働いていることだ。このずる賢い頭は、ホテルの宴会増加策には使えないらしい。
ここで誰もが疑問に思っただろう、人材を供給する有料職業紹介所はそれについておかしいと言わなかったのか?配膳人の労働環境など気にする気もなかったのというのが本音である。というのはホテルの総支配人および宴会部部長の役職になると同時に有料職業紹介所の取締役に就任するからである。そして常備配膳人さえもデイリーに休憩を取らす手間が省けると喜んでいた。
配膳人は誰に?どこに?相談すれば労働環境を良くしてくれるのか教えてほしい。
ホテルの親会社である電鉄の立派なグループ理念がある「つながりあうすべての人に誠実であり・・・」である。物には誠実にする必要がない。
ならば、道具は丁寧に扱わなければならない。
そして、あなたの持ち物でないことを理解しなければならない。
人が人を所有することは奴隷制度と言われている。
そして、・・・突然、「45分」が現れる・・・
-つづく-